シネコラム

第474回 ブルー・ストリーク

第474回 ブルー・ストリーク

平成十二年四月(2000)
新橋 新橋文化

 

 宝石泥棒が意に反して有能な刑事になるというマーティン・ローレンス主演の犯罪コメディ。
 仲間とともに厳重な警備を破って二千万ドルの巨大ダイヤモンドを盗み出したマイルズ、その直後に裏切りにあい、ダイヤを持ったまま警察に追われて、とっさに建設中のビルの通気孔にダイヤを隠し、逮捕される。
 二年後に出所したマイルズ、記憶をたどってビルに行くと、そこはなんと警察署になっていた。
 そこで裏世界の偽造の名手に身分証明書とバッジと経歴書類などを作らせ、新任の刑事に変装して入り込み、ダイヤがあるはずの通気孔を目指すと、たまたま警官を殴って逃走する凶悪犯とトイレで鉢合わせ、これをノックアウトしてしまう。
 偽の経歴書から凄腕刑事と思われ、さっそく新米のカールソンと組まされ、外回り。犯罪者の手口は知り尽くしているので、簡単に解決してしまう。ダイヤを取り戻して数時間で逃げ出すつもりが、主任に任命され、今度は麻薬組織を追うことに。
 当然ながら身分証明書の記載が事実に反することが判明し、相棒カールソンには内務調査官だと偽る。上司は匿名のFBIではないかと疑う。今度はマイルズ、FBIを出し抜いて、麻薬組織の手下を取り押さえてしまう。泥棒より実は刑事が向いているのでは。
 周囲をごまかし、やっとの思いで取り出したダイヤが不運にも押収した麻薬の中に紛れ、なかなかダイヤを手にできず、それに反してどんどん重要な地位に抜擢される。荒唐無稽ながらけっこうきちんと作られているのだ。
 さて、この偽警官、このあと、無事にダイヤを取り戻せるのか、それとも警察内部でどんどん出世してしまうのか、マーティン・ローレンスのコメディアンぶり、大いに楽しめた。

 

ブルー・ストリーク/Blue Streak
1999/アメリカ/公開2000
監督:レス・メイフィールド
出演:マーティン・ローレンス、ルーク・ウィルスン、ウィリアム・フォーサイス、ニコール・アル・パーカー、ピーター・グリーン、リチャード・サラフィアン