第536回 ロボコップ
一九七〇年代以降、アメリカでの凶悪犯罪は増加をたどる。
近未来、犯罪増加にともない、警察の民営化が進められる。この映画が公開された八〇年代後半、日本でも国鉄や郵便局が民営化されつつあり、サービス低下の弊害も取りざたされていた。
邪悪な犯罪都市となったデトロイトで警察がコンピュータ企業オムニ社に委託され、金のかかる警察官を人員削除するためロボット警官を採用する。
ただし融通のきかないロボット警官は些細な違反だけで市民を虐殺したりする。そこでサイボーグ研究班が殉死した優秀な警官アレックスの脳を利用したロボコップを実用化する。まるでフランケンシュタインである。
アレックスの脳を持つロボコップはサイボーグでありながら、もともと優秀な警官であった人間らしさを備えており、研究班のリーダー、モートンは社内で出世する。
初期のロボット警官を推し進める悪徳副社長ジョーンズはモートンを憎み、犯罪組織の卑劣なボス、クラレンスを手先にモートン殺害を諮り、サイボーグのロボコップを抹殺しようとする。
アレックスを殉死させた凶悪な犯罪者がクラレンスであり、ロボコップは生前の妻子の夢を見ながら、クラレンス一味を追い詰め、オムに社重役ジョーンズの悪事を暴く。
主演はロボコップ、アレックス・マーフィ役にピーター・ウェラー、相棒の婦人警官にナンシー・アレン、悪重役に『脱出』のロニー・コックス、サイボーグ開発班長にミゲル・フェラー、そして卑劣で邪悪なクラレンスがその後も数々の悪役を演じ続ける悪相のカートウッド・スミスだった。
これは三鷹オスカーの三本立てで観た。あとの二本は『ターミネーター』と『ブレードランナー』という夢のような未来SFプログラムだった。
ロボコップ/RoboCop
1987 アメリカ/公開1988
監督:ポール・バーホーベン
出演:ピーター・ウェラー、ナンシー・アレン、ロニー・コックス、カートウッド・スミス、ダン・オハーリー、ミゲル・フェラー、ロバート・ドクィ、フェルトン・ペリー、レイ・ワイズ、ポール・マクレーン