映画批評

第387回 フランケンシュタイン(1994)

第387回 フランケンシュタイン(1994)

平成七年二月(1995)
渋谷 渋東シネタワー1

 

 一九三一年のユニバーサル映画とは違い、メアリー・シェリーの原作にかなり忠実に作られ、時代考証もきちんとしているのが一九九四年、フランシス・フォード・コッポラ製作の『フランケンシュタイン』である。
 北極付近でロバート・ウォルトン船長が医師ヴィクター・フランケンシュタインに出あうという発端から原作そのまま。そこで語られるストーリーがこの映画なのだ。
 ヴィクター・フランケンシュタインはスイス人で、インゴルシュタットで医学を学んだ。彼が出会った老医師が生命創造を研究しており、ヴィクターは師事する。が、天然痘が町に流行った時、予防のための種痘を行おうとして、老医師は粗暴な船乗りに刺し殺される。医者殺しで船乗りは縛り首となる。
 師から生命の神秘を伝授されていたヴィクターは、この船乗りの真新しい死体に殺された老医師の脳を移植し人造人間を造る。
 が、それはおぞましい怪物であり、打ち捨てて故郷へ逃げ帰る。怪物は外見は醜い化け物だが、人並み優れた知能と体力の持ち主で、やがて言葉を覚え、自分を捨てた創造主に復讐するためにやって来る。怪物はヴィクターの幼い弟ウィリアムを殺し、無実の女中ジャスティンがウィリアム殺しで処刑される。
 怪物は自分の伴侶として女人造人間を望むが、ヴィクターに拒否され、その婚約者エリザベスを殺す。ヴィクターはエリザベスを生き返らせようと、ジャスティンの体にエリザベスの頭部を移植する。
 映画的に脚色されてはいるが、全体に原作通りなのがうれしい。しかも、怪物のロバート・デ・ニーロ他、配役が大物ぞろいで、見応えあり。監督のケネス・ブラナーフランケンシュタイン役を兼ねる。老医師がモンティ・パイソンジョン・クリーズ
 今までこれほどきちんとしたフランケンシュタイン映画があっただろうか。

 

フランケンシュタイン/Frankenstein
1994 アメリカ/公開1995
監督:ケネス・ブラナー
出演:ロバート・デ・ニーロケネス・ブラナー、トム・ハルス、ヘレナ・ボナム=カーター、ジョン・クリーズエイダン・クインイアン・ホルム、トレビン・マクドーウェル