第２３４回 ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
平成十六年二月（２００４）
新宿歌舞伎町 ミラノ座
トールキンの『指輪物語』をピーター・ジャクソン監督が三部作に仕上げた。第一部は二〇〇二年に今はなき渋谷のパンテオンで、第二部は二〇〇三年にシネコンになる前の旧新宿ピカデリー１で。そして第三部は歌舞伎町のミラノ座で。三館とも大劇場であり、超満員、しかもシネコンと違って当時は自由席だった。
絶対的な支配力を持つ魔法の指輪で世界を征服しようとする魔王。それと戦う人間と妖精の連合軍。古代の王の血筋を引く勇者が妖精族によって鍛え直された剣を持って闇の森の死霊軍団を味方に引き入れる。一方、ホビットの若者はゴラムの案内で指輪を魔の山の溶岩の川に投げ込み葬ろうとする。
邪悪な怪物軍のトロル兵士、巨大犀の引く櫓、人間軍を蹴散らす巨大象軍団、空から襲う飛竜に乗る妖魔。コンピュータグラフィックスの進歩で、これらの異形のものたちが、実際にそこにあるかのようなリアルさで描かれ、ただただ圧倒される。
第一部よりも第二部が、第二部よりも第三部がどんどん面白くなっていく。
それにしても上映時間が長かった。一部と二部はどちらも三時間近くあり、第三部はなんと三時間二十分である。
公開されたとき、うちの子供は小学生だったが、毎回いっしょに観た。しかも、池袋の新文芸坐で一部二部が六時間連続上映されたときも再び観たがったので、連れて行った。大人も子供も楽しめる、これぞファンタジーの傑作である。
ロード・オブ・ザ・リング／The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring
２００１ アメリカ・ニュージーランド／公開２００２
ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔／The Lord of the Rings: The Two Towers
２００２ アメリカ・ニュージーランド／公開２００３
ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還／The Lord of the Rings: The Return of the King
２００３ アメリカ・ニュージーランド／公開２００４
監督：ピーター・ジャクソン
出演：イライジャ・ウッド、ヴィゴ・モーテンセン、イアン・マッケラン、リヴ・タイラー、ショーン・アスティン、オーランド・ブルーム