シネコラム

第227回 バンデットQ

第227回 バンデットQ

昭和五十八年三月(1983)
新宿 新宿ロマン

 モンティパイソンの六番目の男。当時TVシリーズでいつも変なアニメーションを作っていた唯一アメリカ人のテリー・ギリアムはその後、監督として活躍している。ギリアムで好きな映画、いくつかあるが、中でも『バンデットQ』の面白さは私好みだ。
 現実ではあまり幸福でない少年が、不思議な世界に入り込んで冒険する物語。児童文学のようでありながら、そこはモンティパイソン風の毒々しいギャグが満載されている。
 神様がたった七日で世界を創ってしまったので、あちこち、ほころびが出ており、それを修理する小人たち。ところが、時空の穴を利用して、いろんな時代に紛れ込み、泥棒を働いている。少年はたまたま小人たちに出会ってしまい、いっしょに時空の穴を抜けて、冒険することに。
 ナポレオンが集めた財宝を横取りしたり、古代ギリシアアガメムノン大王に気に入られ養子に望まれたり、シャーウッドの森やタイタニック号にも行くが、やがて時空の地図を狙って世界を征服しようとする悪魔との戦いとなる。
 ナポレオンがイアン・ホルムアガメムノンショーン・コネリー、神様がラルフ・リチャードソン、悪魔がデビッド・ワーナー。なかなか贅沢な配役。
 劇場で最初に観たとき、エンドクレジットの配役にジョン・クリーズロビン・フッドがあるのに場面に登場しない。見落としたのかと気になって、後日、もう一度観に行ったのだが、やはりロビン・フッドは出てこない。
 その後、ビデオが発売されたときに見たら、ジョン・クリーズふんする間抜けなロビン・フッドの登場場面があるではないか。映画館での上映は短縮版で、ロビン・フッドの場面がカットされていたのだ。TV放映じゃあるまいし。

バンデットQ/Time Bandits
1981 イギリス/公開1983
監督:テリー・ギリアム
出演:クレイグ・ウォーノックショーン・コネリーイアン・ホルム、ラルフ・リチャードスン、デヴィッド・ワーナーマイケル・ペリンシェリー・デュバル

 

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