シネコラム

第100回 モンティ・パイソン&ナウ

第100回 モンティ・パイソン&ナウ

昭和五十五年二月(1980)
渋谷 西武劇場

 

 TVで『モンティ・パイソン』が放映されたのは、私の学生時代、七十年代の半ばで、英国のオリジナル版に日本独自の解説とおまけが付け加えられていた。解説は今野雄二で、おまけは大阪の演芸場で当時活躍していたチャンバラトリオとトカゲの真似をしたり変な外国語をしゃべりちらす風変わりな新人タモリだった。
 私は毎週、欠かさずにTVの前に座って観ており、馬鹿馬鹿しいギャグの数々。よくもまあ、こんなこと考えつくよ、と呆れるぐらいに素敵だった。
 英国BBCの製作のギャグ番組で、五人の出演者が脚本も書いていて、いずれもケンブリッジかオックスフォード出身の秀才、変なアニメのイラストを担当して加わっていたのがアメリカ人のテリー・ギリアム
 映画版が公開されて、私が観に行ったのは渋谷のパルコの中にあった西武劇場、二本立てのもう一本がアーサー王と円卓の騎士を題材にしたギャグ集『モンティ・パイソンホーリーグレイル』だった。
 映画『モンティ・パイソン&ナウ』はTV放映のギャグを編集しなおしたもので、おばあちゃんで構成された愚連隊とか、TVの脅迫番組とか、ゲイの軍隊とか、けっこう憶えていた。
 放送当時、エリック・アイドルの吹き替えをやっていたのが広川太一郎、オリジナル版よりずっと面白いと評判だった。
 須田泰成著『モンティ・パイソン大全』(洋泉社)という本、モンティ・パイソンのすべてのギャグが再現された力作で、これを読むと、日本のTVで放送されなかったものもずいぶんとあったようだ。座右に置いて、あのころを思い出すのも、また楽しい。

 

モンティ・パイソン&ナウ/Monty Python‘s And Now for Something Completely Different
1971 イギリス/公開1980
監督:イアン・マクノートン
出演:ジョン・クリーズエリック・アイドル、グラハム・チャップマン、マイケル・ペリンテリー・ジョーンズテリー・ギリアム

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