シネコラム

第35回 最狂絶叫計画

第35回 最狂絶叫計画

平成十六年十月(2004)
新宿 新宿ピカデリー

 

 かつて、新宿の紀伊国屋書店の裏あたりに新宿ピカデリー4というミニシアターがあった。狭い階段を上がって、チケットを買い、中に入るとロビーもエントランスもなくて、いきなり客席。あまりの狭さに驚いていると、スクリーンのサイズがまた極端に小さい。まだ家庭用の大型TVが出回る前だったが、おそらく大型TVよりは小さかったと思う。
 それでも、ここでしか上映されない作品があって、そのうちの忘れられない一本が『最狂絶叫計画』というパロディ作品。
 夜、住宅街の一軒の家で、ふたりの女子高校生が話していて、ひとりが変なビデオを見たことを切り出す。『リング』とまったく同じだが、制服は極端な超ミニスカート、ふたりそろって大きな胸、大柄でセクシーなブロンド。で、変なビデオというと、ひとりが変態ポルノビデオだと勘ぐり、会話がそっちにエスカレートする。
 すべてこの調子で『リング』を茶化したドタバタギャグが続き、とうとうTV画面から抜け出してきた呪いの女と殴り合いの格闘をしたり。
 事件を取材する女性レポーターに絡むのが元牧師の農夫で、その農場に巨大なミステリーサークルが出現。いっしょに暮す農夫の弟が白人ラッパー。つまり、『リング』を中心にして、当時の話題作『サイン』や『8マイル』を混ぜ合わせたおふざけ映画なのだ。
 特別ゲストとして宇宙人と戦うホワイトハウスの大統領役でレスリー・ニールセンも登場。ニールセンはますます馬鹿さ加減に磨きがかかっていて楽しめた。
 結局、宇宙人たちは地球で放送された呪いのビデオを傍受してしまい、一週間で死ぬという呪いを解くために、大挙して地球にやって来たという『サイン』よりもはるかに小気味いいオチがつく。

 

最狂絶叫計画/Scary Movie 3
2003 アメリカ/公開2004
監督:デビッド・ザッカー
出演:アンナ・ファリス、サイモン・レックス、レスリー・ニールセンチャーリー・シーン、レジーナ・ホール

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