第432回 デッドマン
ジョニー・デップ主演、ジム・ジャームッシュ監督の異色西部劇。
東部の都会から西部にやって来た会計士のウィリアム・ブレイク。来るのが遅すぎたと頼みの綱の会社に雇ってもらえず、娼婦のセルと知り合ってその部屋に泊まる。
そこへいきなりセルの情夫のチャーリーがやって来て、未練がましく泣き言を言ったあげくにセルを撃ち殺す。ブレイクも撃たれるが、とっさに撃ち返してチャーリーを殺してしまう。
チャーリーの父親で町の有力者ディキンソンはブレイクに賞金をかけ、三人の殺し屋を雇って追わせる。
チャーリーに撃たれて体内に弾の残るブレイクは、森の中で教養ある孤独なインディアンと出会う。インディアンは彼を同姓同名の詩人ウィリアム・ブレイクだと思い込み、世話を焼く。
殺し屋のコールは同行の仲間ふたりを殺し、その肉を食ってブレイクを追い続ける。
ブレイクは東部のひ弱な若者から、いつしか凶悪な無法者の面構えとなっている。
物語はゆるやかに進み、最後は夢のような死を迎える。
凝ったキャスティングで、ジョン・ハートやガブリエル・バーンなど、私の好きな脇役俳優がたくさん出ている。人食いの殺し屋のランス・ヘンリクセン、いかれたマイケル・ウィンコット、カメレオン俳優のビリー・ボブ・ソーントン、アルフレッド・モリーナ。なんといっても『バック・トゥ・ザ・フューチャー』以来ごぶさただったクリスピン・グローバーが見られたのがうれしかった。
それはそうと、高田馬場には高田馬場東映と東映パラス、パール座、早稲田松竹があり、東映と東映パラスは一九九九年に閉館した。今のマクドナルドのあるビルがそれだった。
デッドマン/Dead Man
1995 アメリカ/公開1995
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ジョニー・デップ、ゲイリー・ファーマー、ジョン・ハート、ロバート・ミッチャム、ガブリエル・バーン、ミリ・アヴィタル、ランス・ヘンリクセン、マイケル・ウィンコット、ユージン・バード、イギー・ポップ、ビリー・ボブ・ソーントン、ジャレッド・ハリス、ミッチェル・スラッシュ、クリスピン・グローバー、アルフレッド・モリーナ