シネコラム

第287回 ジュマンジ

第287回 ジュマンジ

平成八年四月(1996)
大阪 道頓堀 SY角座

 十二才のアランはいじめられっ子だった。父は大きな靴工場の経営者。アランは工場拡張の工事現場で偶然古めかしいゲーム盤を発見し、家に持ち帰る。両親の留守に近所の女の子サラとゲームを始めると、驚いたことに、さいころの目に合わせて駒がひとりでに進み、盤上の升目に書かれた言葉が現実となる。魔法のゲーム盤だったのだ。最初にサラが進んだ升目が「蝙蝠の大群」。次にアランが進んだ升目が「五か八が出るまでジャングルに閉じ込められる」というもので、サラの目の前でアランは消えてしまう。そこへ蝙蝠の大群が押し寄せ、サラはゲームを投げ出し逃げ帰る。
 時が流れ、二十六年後、無人となった家に二人の幼い姉弟がやって来る。両親が事故で亡くなったため叔母に引き取られたのだ。二人は家の中にあった件のゲーム盤を見つけてさいころを振ると、出た升目が「動物の暴走」。現実にアフリカの動物たちが現れる。あわやライオンに襲われそうになった時、飛び出してきた男が二人を救う。まるでターザンのようなこの男こそ、二十六年間ゲームの中のジャングルに閉じ込められ、サバイバルでたくましくなったアランだった。靴工場は廃墟となり、家は荒れ果て、両親はすでに死んでいる。呆然とするアラン。
 町中で動物たちが暴れ、ゲームを終了させなければパニックは終わらない。幼い二人とアランはゲームを続けるが、駒が進まなくなった。プレイヤーがひとり足りない。それがあの当時の女の子、今は街はずれに引きこもり、人間嫌いの霊媒となっているサラ。果たしてゲームはどんな結果をもたらすのか。
ジュラシックパーク』の恐竜同様に、この当時、CGの技術が目覚ましく、アフリカの動物の群れが町を駆け回るシーンは話題となり、CMなどにも流用された。
 その後、ジャングルゲームを宇宙冒険ゲームに置き換えた『ザスーラ』や『ジュマンジ』の二十年後の続編『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』『ジュマンジ ネクスト・レベル』も作られた。

 

ジュマンジ/Jumanji
1995 アメリカ/公開1996
監督:ジョー・ジョンストン
出演:ロビン・ウィリアムズジョナサン・ハイドキルスティン・ダンストブラッドリー・ピアースボニー・ハントビビ・ニューワース