第45回 ロビンとマリアン
昭和五十八年十一月(1983)
大塚 大塚名画座
『エクスカリバー』は大塚名画座の二本立てで観たのだが、もう一本が『ロビンとマリアン』だった。当時は二本立て三本立ての名画座が東京中にあって、うれしい組み合わせで上映していた。
実を言うと、私は子供の頃からロビンフッドも好きなのだ。シャーウッドの森の盗賊ロビンとその仲間、大柄のリトル・ジョン、修道士タッグ。恋人がマリアン姫で悪役がジョン王とノッティンガムの代官。
ショーン・コネリーがロビンを演じた『ロビンとマリアン』は中年となったロビンフッドの物語。獅子王リチャードとともに十字軍に加わったロビンとリトル・ジョンが王の死によって、長年留守にしていた英国に戻ってくる。ふたりはいい歳になっていて、少々くたびれ気味。とはいえ、当時のコネリーは四十代半ば。
王位を継いだジョン王が無能でわがままな暴君で、その配下が腹黒い代官。
ロビンは帰国後、恋人マリアンに再会するが、彼女は修道女になっていた。
再結成したロビン一味はジョン王の暴政に対抗し、最後は悪代官と対決。ショーン・コネリーと代官ロバート・ショウの一騎打ちは『007危機一発(ロシアより愛をこめて)』のボンドと殺し屋の対決を思い出させた。
代官を倒し、瀕死の重症を負ったロビンは女子修道院でマリアンによって毒薬を飲まされる。助かる見込みがないロビンをマリアンが安楽死させるのだ。
ロビンフッドの伝説では、重病のロビンが王の手先の悪い修道女に騙され殺されることになっているが、この映画では修道女が元恋人のマリアンという設定で、マリアン役がオードリー・ヘップバーン。久々の映画出演で話題になった。
ロビンとマリアン/Robin and Marian
1976 アメリカ・イギリス/公開1976
監督:リチャード・レスター
出演:ショーン・コネリー、オードリー・ヘップバーン、ロバート・ショウ、リチャード・ハリス、ニコル・ウィリアムソン