第2回 荒野の七人
昭和四十六年五月(1971)
大阪 上本町 上六映劇
映画館では『七人の侍』よりも『荒野の七人』を先に観た。リバイバル上映されたのが、高校三年生のときで、痛快娯楽西部劇に酔いしれた。
メキシコの村が山賊に毎年襲われる。作物は奪われ、抵抗すれば殺される。村人たちは意を決して、山賊に立ち向かおうと、町まで行って腕利きのガンマンを雇うことになる。
食い詰めてメキシコに流れ着いたいわくありげなアメリカ人ガンマンが七人、わずかな報酬で村人に協力する。
ユル・ブリンナーの黒づくめのリーダー、補佐するのがスティーブ・マックィーン、農民出身の若いホルスト・ブッフホルツ、武骨だが子供好きのチャールズ・ブロンソン、お洒落で神経質な賞金稼ぎロバート・ヴォーン、ニヒルなナイフ投げの達人ジェームズ・コバーン、報酬目当ての胡散臭いブラッド・デクスター。
ガンマンたちはイーライ・ウォラックを首領とする山賊一味との死闘の末、敵を全滅させるが、七人のうち四人が倒れる。
オリジナルをかなり端折り、通俗ハリウッド活劇に仕立て直している。日本の時代劇が原作ながら、完全な西部劇である。西部劇と時代劇には大いに共通する要素があるのだ。そう思わせる一本であった。
その後、『続荒野の七人』『新荒野の七人』『荒野の七人真昼の決斗』『マグニフィセントセブン』と続編やリメイクが作られる。
マイケル・クライトンの『ウエストワールド』を観たとき、悪役のロボットガンマンが黒づくめのユル・ブリンナーだったので、思わずニヤリ。
荒野の七人/The Magnificent Seven
1960 アメリカ/公開1961
監督:ジョン・スタージェス
出演:ユル・ブリンナー、スティーブ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン