その日、なにが起こったか? 今日の歴史的な出来事

11月4日
今日の歴史的事件
[平民宰相]原敬、暗殺される

 今日、11月4日は――




[平民宰相]原敬、暗殺される

 首相で立憲政友会総裁の原敬が東京駅で刺殺された日です。
 大正10年(1921年)のことでした。

 原敬は、安政3年2月9日(1856年3月15日)、盛岡藩岩手郡本宮村(現在の盛岡市本宮)で、盛岡藩士原直治の次男として生まれました。
 外務省に採用されたのち、大阪毎日新聞社社長に就任すると、立憲政友会創立に参画します。
 明治33年(1900年)に逓信大臣、明治39年(1906年)内務大臣を歴任した後、総裁に就任しました。
 大正7年(1918年)には、米騒動で倒れた寺内正毅内閣の次に、衆議院議員最初の首相「平民宰相」として、初めての本格的政党内閣を組織しました。

 藩閥政治を解体し、交通整備・教育拡張など積極的な政策を行いましたが、政友会の絶対多数を利用した、普通選挙拒否や社会運動弾圧などの独裁的な強硬施策を行ったことで、世論の批判を浴びてしまいます。

 そのような社会情勢の中、原敬は、大正10年(1921年)11月4日午後7時25分頃、東京駅乗車口(現在の丸の内南口付近)で、世論に影響され、原敬に不満を抱く中岡艮一(なかおかこんいち)の凶刃に斃れます。
 栃木県出身の鉄道省山手線大塚駅に勤務する18歳の転轍手は無期懲役となり、昭和9年(1934年)に恩赦で出所しました。

 刺殺現場には、事件を概説したプレートが壁に貼られてあり、床には場所を示すタイルが嵌められています。


   


[平成30年(2018)11月4日]掲載