今日、9月10日は――
江戸幕府が、長崎海軍伝習所を開設した日です。
安政2年7月29日(1855年)のことでした。
ペリー来航後、海軍の創設を計画した江戸幕府は、軍艦建造を発注したオランダからの技術提供の申し出と、訓練用の軍艦スームビング号(のちの観光丸)寄贈をうけ、幕末の長崎に西洋式海軍訓練機関を設けました。
海軍のさまざまな技術を習得すべく、長崎奉行所の西役宅を伝習所の施設にし、オランダ海軍士官ペルス・ライケンをはじめとするオランダ海軍軍人を教官として、200人ほどの伝習生が訓練に励んだそうです。
伝習生には、幕臣の矢田堀鴻・勝海舟・榎本武揚ら、諸藩藩士の五代友厚・川村純義・佐野常民ら、のちに活躍する人物がおり、長崎在勤の目付だった永井尚志が監督を勤めました。
安政6年(1859年)に閉鎖となりましたが、後年、明治政府海軍創設の基礎となったのです。
[平成30年(2018)9月10日]掲載