本タイトルは、江戸時代後期に生きた曹洞宗の僧侶である良寛法師の言葉、「優游復優游 ゆうゆうまたゆうゆう」にちなんで、先生ご自身が名付けられた。
 越後国の産で、生涯放浪の多かった良寛法師は、歌人でもあり、漢詩人でもあり、また書家でもあった。
 故郷を同じくする作家の漫筆録。

第7話

鯖が美味い

〝意識高い系〟ということばが、頑張る学生をするものとして使われてきたらしい。へえとおもう。SNSを駆使する世代って、けっこう大変なんだなあと。便利を追求すると、行きつくさきは人間関係の不便さだったりするのか。はなしは変わる。
 さばい。夏が近づくと、いい鯖が出てくる。わかと京を結ぶのは鯖街道。鯖の生き腐れ。腐らせぬように走った人々がいたわけだ。脱帽。真空パックは流通革命を生んだが、一方で物を腐らせずに運ぶ緊張感を人から奪った。しめさば党宣言。

平成28年(2016)4月23日

坂岡 真

ささおか しん

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