本タイトルは、江戸時代後期に生きた曹洞宗の僧侶である良寛法師の言葉、「優游復優游 ゆうゆうまたゆうゆう」にちなんで、先生ご自身が名付けられた。
越後国の産で、生涯放浪の多かった良寛法師は、歌人でもあり、漢詩人でもあり、また書家でもあった。
故郷を同じくする作家の漫筆録。
第5話
これがくせもの
新聞でおもしろい見出しをみつけた。
「
本のタイトルみたいだ。暗号のようでもある。暗号と言えば
「秋の日の ヴィオロンの ためいきの ひたぶるに 身にしみてうら悲し」
というヴェルレーヌの詩があった。連合軍のノルマンディー上陸作戦、決行の合図。連合艦隊の真珠湾攻撃は
「ニイタカヤマノボレ」
「トラトラトラ」
……悲惨さとはうらはらな情緒、これがくせもの。
平成28年(2016)4月7日