本タイトルは、江戸時代後期に生きた曹洞宗の僧侶である良寛法師の言葉、「優游復優游 ゆうゆうまたゆうゆう」にちなんで、先生ご自身が名付けられた。
 越後国の産で、生涯放浪の多かった良寛法師は、歌人でもあり、漢詩人でもあり、また書家でもあった。
 故郷を同じくする作家の漫筆録。

第13話

好き嫌いは別にして

 良寛和尚はきらいなものが三つあるといって「詩人の詩、書家の書、庖人のせん」を挙げたという(飯沢匡氏の『哲学を言う料理人は嫌いです』より抜粋)……常識や定形にとらわれない素人の素朴さが好きということか。
「小説家の小説」も(その時代にあればのはなしだが)勧善懲悪&予定調和のありがちな結末のものは嫌悪したのかもしれない。
 でも、好き嫌いは別にして、ありがちな小説を書くことってけっこう難しい。
 過去日記より。
 →『人間には誰でも向上心がある。悪く言えば、高望みだ』

平成28年(2016)11月19 日

坂岡 真

ささおか しん

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