その日、なにが起こったか? 今日の歴史的な出来事

10月30日
今日の歴史的事件
地震学者の大森房吉、生まれる

 今日、10月30日は――




地震学者の大森房吉、生まれる

 明治から大正時代にかけて活躍した、日本を代表する地震学者・火山物理学者である大森房吉が生まれた日です。
 明治元年(1868年)9月15日のことでした。

 越前国福井(福井県福井市)出身の房吉は、明治23年(1890年)、東京帝国大学理科大学物理学科卒業し、イギリスから招聘されたミルン教授指導の下、大学院で地震学および気象学を研究しました。

 卒業の翌年に濃尾地震が発生したのを機に、明治25年(1892)震災予防調査会設立とともに主任委員に就任すると、明治30年(1897年)には、東京帝国大学の教授になりました。

 地震学上の業績として、[初期微動継続時間と震源距離との関係を表す大森公式の発見][大森式地震計の考案][地震帯の発見][震災対策]など、全領域に数多く挙げられます。

 明治35年の伊豆鳥島爆発調査をきっかけに火山の研究もはじめ、明治44年には、浅間山に日本初の火山観測所を設立し、火山物理学の基礎を作りました。

 大正12年(1923年)、オーストラリアで開催されていた汎太平洋学術会議に出席していた房吉は、関東大震災の知らせを受け、急遽帰国の途につくも、船中で倒れてしまいます。
 帰国後も病に伏したまま動けず、同年11月8日、56歳で亡くなりました。
 明治38年(1905年)、大地震を予測した後輩の地震学者今村明恒の説を批判、論争になったことに対し、責任を感じながら旅立ったそうです。

 主な著作に、『地震学講話』『日本噴火誌』『地震験測法一班』『日本に於ける津波に就きて』などがあります。


   


[平成30年(2018)10月30日]掲載