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歴史行路文庫3月刊
『孫帰る 祥五郎想い文[一]』配信!

歴史行路編集部
歴史行路編集部

歴史行路初登場の本格派女流作家が描く、恋情時代小説!

『孫帰る 祥五郎想い文[一]』
片岡麻紗子・著 ¥551
電子書籍はこちらからお買い求めいただけます


【あらすじ】

決して打ち明けてはならぬ、一筋の深き想い。
ただ、あの人の笑みに触れるのが、己の幸せ。

剣術の稽古帰り、香江の住む家に立ち寄った祥五郎。
庭へ足を踏み入れると、縁側に座る、野良着姿の痩せた老女が目にとまった。
足許の背負い篭には、さまざまな花が入っている。花売りで暮らしているのだろう。
ひとしきり花談義に盛り上がる香江と老女のおくまに、祥五郎も覚えず笑みがこぼれた。
ところが、いざ帰る段となって、おくまが腰患いで、身動きできなくなってしまったのだ。
見るに見かねた祥五郎は、痛みに顔を歪めるおくまを背負い、家まで送ることに。
その道すがら、肩越しにおくまが身の上話を語りはじめたのだった。
なんと、おくまには駆け落ち同然で出て行った娘がいた。
数年後に戻っては来たものの、幼い息子ふたりを残したまま、早くに病で亡くなってしまったという。
年寄りの細腕では、とてもふたりの孫を養えないおくまは、三歳の佐吉を泣く泣く上方へ里子に出した。
それから三年後、今度は二つ年上の豊助をも、木更津の廻船問屋に奉公へやったのだった。
十年経ったら江戸へ戻ってきて、一緒に暮らそうと約束をして――。
以来、おくまは豊助の帰りを固く信じている。
大家に店賃の支払いを迫られても、孫に払ってもらうと言い張って聞かないほどに。
しかし、祥五郎も香江も、考えは同じだった。
もう十五年は経っているし、便りさえも届かないのだから、豊助は帰って来ないだろう、と。
誰もが信じてくれず、すっかり弱気になったおくま。
だが、陽射しが眩しい秋のある日、ふいに旅姿の男が現れた。
浅黒い頬が光り、切れ長の目に見詰められたおくまは涙を流し……。

※「孫帰る」より

女は想いを馳せ、男は想いを寄せる――触れるに触れられぬ、恋情時代小説の佳品。

「源平店の殺し」「孫帰る」「稀代の錺り師」「待つ女」の4話を収録。



【登場人物】

滝沢祥五郎……丹波志川藩葺谷家の藩士。冷や飯食いのため、艶書書きで小遣いを稼ぐ。

堀田香江……葺谷家に出仕していた夫の左門を亡くし、ひとり江戸で暮らしている。

治平……元下っ引きで、今は絵草紙屋を営んでいる。かつては左門の小者を勤めていた。

おあき……さる事情から、香江と暮らしはじめた十七歳の町娘。

滝沢主馬……祥五郎の兄。江戸留守居役添所を勤めており、身重の妻千波は国許にいる。

こげ丸……香江の愛犬。ふさふさとした、茶色の毛並み。

津留……左門の前妻。嫉妬深い。

【著者略歴】
片岡 麻紗子(かたおか まさこ)
1972年、兵庫県神戸市生まれ。
関西大学文学部卒業。
2001年、『浮世奇絵草紙』で、講談社第9回ホワイトハート大賞受賞(水野武流名義)。 『樹下の空蝉』(徳間文庫)で、時代小説(歴史小説)をテーマにしたサイト「時代小説SHOW」の〈2014年時代小説・文庫書き下ろし部門のベスト10〉第1位を獲得。

『孫帰る 祥五郎想い文[一]』
片岡麻紗子・著 ¥551
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【シリーズ既刊】

『おんな侍 祥五郎想い文[二]』
片岡麻紗子・著 ¥562
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