脳内会議 服部半蔵編
「歴史的に正しい服部半蔵を書こう」
最初はそう決心していました。そう、最初は……。
伊賀越えで知られる服部半蔵は三河の生まれで武士であったそうです。なので、武士としての彼の活躍を描こうと意気込んだのですが、何度頭の中で試行してもそれだけじゃ何にも面白くならない。そこで、“父親は(恐らく伊賀の)忍者だった”という史実をもとに、
「本当は忍びを継がなくてはいけないのに、武士になりたい服部半蔵」
というコンセプトを考え、父親と因縁のある忍びを配置して、ヒロインはくのいち、そして無茶振りばかりしてくる上司家康を……、と周囲の登場人物たちを調えていきました。そうやって色んな着想を盛り込んでいくうちに、気付けば忍者が大立ち回りを演じるエンタメ時代小説となっていました。
え? 失敗? 何をおっしゃるやら。小説はあくまでフィクション。面白ければそれでいいのです。小説的な仕掛けやらエンタメ成分マシマシの本作、ぜひぜひお手に取ってくださいね。
[平成30年(2018)1月30日]