明屋敷番とは、空き屋敷を調べる役目である。しかし裏では、公儀転覆を謀る者たちを探り、容赦なき鉄槌を下している。シリーズ第一弾『
鈴木英治の新シリーズは、第二弾になって、さらに好調。奇怪な剣を使う南蛮人たちが跳梁し、隼兵衛の知る人物も意外な行動に出る。誰が敵で、誰が味方か。そして一連の騒動の裏には、何が隠されているのか。真実の一端は明らかになるが、それ故に、闇は濃くなった。作者の紡ぐストーリーに翻弄され、読み終わった途端に、第三弾が待ち遠しくてならないのである。
その一方で、隼兵衛と妻の絹代の、ほのぼのとした夫婦関係が、実に気持ちいい。ここもまた鈴木作品の、大きな魅力になっているのだ。
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