書物目利所 達眼老練の四〇〇字書評 細谷正充

細谷 正充

無言殺剣

正倉院の闇

鈴木英治/著

レーベル:徳間時代小説文庫
出版社:徳間書店
刊行日:2017年3月3日
価格:650円+税
判型:文庫

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 無言を貫く凄腕の浪人・音無黙兵衛と、彼に惚れ込んだ若者の伊之助。長き旅を続けていたふたりだが、シリーズ第九弾となる本書で、ついに目的地の奈良に到着した。二十年前に奈良奉行だった水野忠秋の悪行。それに絡んだ、黙兵衛の父の死の真相。襲い来る敵を蹴散らしながら、ふたりは一連の騒動の真相に迫っていく。
 その一方で、旅の途中で別れた伊之助を追う初美と、彼女に同行するおきさの、道中の様子。黙兵衛と敵対する荒垣の、江戸での動きなどが描かれている。どうやら外記も奈良を目指すようだ。
 さらに、かつて黙兵衛の剣の師匠であった柳生新陰流の岡西佐久右衛門が、刺客として放たれた。次巻で完結ということで、ストーリーはクライマックスへと、怒濤の勢いで向かっているのだ。敵も味方も奈良へと集結する展開に、ワクワクせずにはいられない。この高まった期待に作者が、どう応えてくれるのか。かつもくして物語の決着を待とうではないか!

細谷 正充

ほそや まさみつ

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