書物目利所 達眼老練の四〇〇字書評 細谷正充

細谷 正充

柳生三代の鬼謀

鳥羽亮/著

出版社:徳間書店
刊行日:2017年2月8日
価格:1,700円+税
判型:四六判

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 鳥羽亮の剣豪小説は凄まじい。石舟斎・宗矩・十兵衛――柳生三代を主人公にした本書を読んで、あらためてそう思った。
 剣聖・上泉伊勢守から新陰流を学び、『無刀取り』の会得を託された宗厳(石舟斎)。徳川家康に取り立てられ、戦場で剣の腕を示しながら、柳生新陰流の地位を確立していく宗矩。将軍への剣術指南をしくじり、柳生の里に逼塞したが、宗矩に諭され廻国修行に出かける十兵衛。戦国から徳川へと向かう時代の中で、柳生新陰流が泰平の世の剣として、いかに広がり、深まっていったか。最初から最後まで剣戟の響き鳴り止まぬ物語に、その答えがある。
 また、上泉伊勢守が説明する殺人剣と活人剣の違いや、宗厳が披露する『無刀取り』など、新陰流の極意が、分かりやすく描かれている。そこも本書のポイントとなっている。自身も剣道の達人であり、長年にわたりチャンバラ・シーンを書き続けてきた作者だから、これほどの剣豪小説を生み出すことができたのだ。

細谷 正充

ほそや まさみつ

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