書物目利所 達眼老練の四〇〇字書評 細谷正充

細谷 正充
細谷 正充

無言殺剣

妖かしの蜘蛛

鈴木英治/著

レーベル:徳間時代小説文庫
出版社:徳間書店
刊行日:2016年11月2日
価格:650円+税
判型:文庫

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 宿敵との激しい闘いに音無黙兵衛が勝利し、「無言殺剣」シリーズの第一部は完結した。だが、主人公たちの旅は終わらない。第二部の開幕を告げる本書では、一緒に旅をしていた初美を寺に残し、黙兵衛と伊之助が東海道を西に向かう。そんなふたりに、伊賀忍者にして最強の幻術師である春庵が、魔手を伸ばすのであった。
 さまざまな因果因縁が積み重なり、複数の勢力から狙われる黙兵衛と伊之助。桑名服部家の九蔵に率いられた忍者集団に襲われるなど、剣戟の響きが絶えることはない。さらに幻術師の春庵が、いままでの敵とは違った方法で攻めてくる。ここで明かすわけにはいかないが、なるほど、この手があったのかと、感心してしまった。尽きることなき作者のアイディアは、凄いとしかいいようがない。
 また、黙兵衛との出会いと交誼により、善き資質を開花させていく、伊之助の成長も、嬉しい読みどころになっている。第二部になって、ますます快調なシリーズである。

細谷 正充

細谷 正充

ほそや まさみつ

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