書物目利所 達眼老練の四〇〇字書評 細谷正充

細谷 正充

戦国新撰組〈1〉

富沢義彦/原作

朝日曼耀/作画

レーベル:サンデーGXコミックス
出版社:小学館
刊行日:2016年12月19日
価格:552円+税

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 新撰組を扱った時代コミックは多々あるが、このアイディアは初めてではなかろうか。なんと新撰組が、戦国時代にタイムスリップしてしまうのだ。しかも場所は、織田信長が今川義元を襲う直前の桶狭間である。いきなり戦国に投げ出された土方歳三たちが、蜂須賀小六と戦うなど、時空を超えたドリーム・マッチが実現。戦国人と幕末人の違いを踏まえたチャンバラに大興奮だ。原作者の富沢義彦は、近年、時代コミックに意欲を燃やしているが、それにしても凄い事をやってくれたものである。
 さらに暗殺された父・佐久間象山の仇を討つため、新撰組に入れられた三浦啓之助が、準主役になっているのも面白い。口だけ達者な啓之助と、歳三の会話が、殺伐とした物語にユーモアを与えている。
 なんて思っていたら、本書のラストで啓之助が意外な行動に出たので驚いた。もうひとつの意外な展開と併せて、ストーリーの行方がまったく見えない。だから、第二巻の刊行が待ち遠しいのだ。

細谷 正充

ほそや まさみつ

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