書物目利所 達眼老練の四〇〇字書評 細谷正充

細谷 正充
細谷 正充

将軍の影法師 葵慎之助

薄氷

麻倉一矢/著

レーベル:徳間時代小説文庫
出版社:徳間書店
刊行年月:2016年10月7日
価格:640円+税
判型:文庫

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 麻倉一矢の新シリーズ『将軍の影法師 葵慎之助 拝命』は、発売即重版という好評をもって斯界に受け入れられた。それに気をよくしたか、シリーズ第二弾となる本書が、早くも登場。ファンにとっては、嬉しい贈り物だ。
 にんちょうじゃくにん後見役となり、徳川九代将軍家重を警固する勝田慎之助。前作で、御三卿の田安家と一橋家の陰謀を、丸亀藩の蛍姫や、幕府の裏働きをしている葛西衆と共に粉砕した。そんな慎之助たちが、新たに立ち向かう騒動とは、宝暦治水絡みのものであった。
 宝暦治水とは、幕府の命により薩摩藩が行った、濃尾三川の治水工事である。大変な難工事であり、薩摩藩は莫大な借金を背負い、さらに多くの藩士の命を失った。
この史実を、作者は見事な手腕で、エンターテインメント・ストーリーに組み込んだ。錯綜した状況と、蠢く陰謀。そして主人公と剣鬼との死闘。どこを取り出しても、面白さに満ちている。これなら本書も、発売即重版になること、間違いなしだ。

〝将軍の影法師 葵慎之助〟シリーズはこちらです。

将軍の影法師 葵慎之助

拝命

レーベル:徳間時代小説文庫
出版社:徳間書店
刊行年月:2016年7月1日
価格:650円+税
判型:文庫

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ほそや まさみつ

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