麻倉一矢の新シリーズ『将軍の影法師 葵慎之助 拝命』は、発売即重版という好評をもって斯界に受け入れられた。それに気をよくしたか、シリーズ第二弾となる本書が、早くも登場。ファンにとっては、嬉しい贈り物だ。
宝暦治水とは、幕府の命により薩摩藩が行った、濃尾三川の治水工事である。大変な難工事であり、薩摩藩は莫大な借金を背負い、さらに多くの藩士の命を失った。
この史実を、作者は見事な手腕で、エンターテインメント・ストーリーに組み込んだ。錯綜した状況と、蠢く陰謀。そして主人公と剣鬼との死闘。どこを取り出しても、面白さに満ちている。これなら本書も、発売即重版になること、間違いなしだ。
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