書物目利所 達眼老練の四〇〇字書評 細谷正充

細谷 正充

無言殺剣

獣散る刻

鈴木英治/著

レーベル:徳間時代小説文庫
出版社:徳間書店
刊行日:2016年9月2日
価格:650円+税
判型:文庫

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 ついに、ついにこの時がきた! 一言もしゃべらぬ謎の用心棒・音無黙兵衛の出自と、無言を貫く理由が、シリーズ第六弾にして、明かされたのである。これはもう、読まずにいられないではないか。
 前巻のラストを受けて、物語はいきなりクライマックスで始まる。忍者の一団の襲撃により、絶体絶命の危機に陥った黙兵衛一行。なんとか敵を退けたものの、毒矢により初美が昏睡状態となってしまった。郡山の照月寺に落ち着き、初美の回復を待つ黙兵衛と伊之助。その間、伊之助は剣の修行を続ける。
 一方、初美や黙兵衛を狙う、さまざまな勢力も暗躍。そしてついに黙兵衛の因縁の相手である、久世家剣術指南役の横山佐十郎との、対決の時が迫るのであった。
 この対決シーンで作者は、ふたりに壮絶な斬り合いをさせると同時に、黙兵衛の過去を明らかにしていく。読みどころの二乗で、興奮はてんじょう知らず。シリーズの積み重ねから生まれた面白さを、十二分に堪能したのである。

細谷 正充

ほそや まさみつ

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