多数の出版社を股にかけて展開している、井川香四郎の「もんなか紋三捕物帳」シリーズの第七弾が刊行された。十八人の岡っ引を子分とする、キング・オブ・岡っ引の紋三。今度はいかなる事件に挑むのか。
本書には短篇四作が収録されている。第一話「壊し屋」は、江戸を騒がせる〝壊し屋〟の裏に潜んだ企みに、紋三たちが向かっていく。第二話「運び屋」は、訳ありの物でも引き受ける〝運び屋〟のかかわった殺人事件が、公害問題にまで発展する。第三話「
もちろん第四話「洗い屋」もそうだ。しかも登場するのが、「洗い屋十兵衛」シリーズの主人公・月岡十兵衛である。ひとりの男を