書物目利所 達眼老練の四〇〇字書評 細谷正充

細谷 正充

極楽安兵衛剣酔記

血闘 波返し

鳥羽亮/著

レーベル:徳間時代小説文庫
出版社:徳間書店
刊行日:2016年7月1日
価格:630円+税
判型:文庫

amazon.co.jpセブンネットショッピング

TSUTAYAオンラインショッピング楽天ブックス

 りょうの人気シリーズ「極楽安兵衛剣酔記」の最新刊が出版された。酒好きで剣の達人。浅草駒形町にある料理屋「笹川」のそうろう。極楽とんぼの暮らしをしているながおかやすは、かいわいに事件が起こればすぐに乗り出す好漢でもある。
 そんな安兵衛が、今回かかわることになったのは、辻斬りを発端とした凶悪な騒動である。新米御用聞きのまたはちはっしょうげつさいちょうちょう売りのげん。おみの仲間たちと一緒に騒動を追う安兵衛がたどり着いたのは、金をもらって人を殺す〝殺し人〟の一団であった。激しい攻防を繰り広げながら、安兵衛たちは殺し人を追っていく。
 ベテラン作家らしいストーリー展開は、いつものように面白い。そして鳥羽作品ならではの、迫真のチャンバラがたまらない。〝波返し〟と名づけられた、強敵の秘剣をいかに破るのか。まるで実際の斬り合いを見ているかのような対決シーンに、胸がたかぶる。何冊読んでも飽きることのない、鳥羽作品の魅力が、ここにあるのだ。

細谷 正充

ほそや まさみつ

著者紹介ページへ
[PR]