書物目利所 達眼老練の四〇〇字書評 細谷正充

細谷 正充

織江緋之介見参〈七〉

終焉の太刀

上田秀人/著

レーベル:徳間文庫
出版社:徳間書店
刊行日:2016年7月1日
価格:670円+税
判型:文庫

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 うえひでの「織江緋之介見参」シリーズも、第七弾となる本書で、堂々の完結を迎えた。ラストを飾るに相応ふさわしく、チャンバラもヒートアップする。
 次期将軍の座を巡る争いが激化する中、三代将軍いえみつの十三回忌のため、四代将軍いえつなが下向することになった。その行列を、将軍家剣術指南役の父親・ただつねと共に守護することになったおりすけ。襲いくる三十人の死兵と、壮絶な斬り合いに突入する。途中で緋之介の叔父であり、最強剣鬼の小野ちゅうも加わるが、終始劣勢。命ギリギリのおおは、興奮必至の面白さだ。おまけに大殺陣の後にも、忠常と緋之介の剣の冴えが楽しめる場面が控えている。これだけ詰め込んでくれれば、お腹いっぱい。満足だ。
 そして七巻を通じて成長した緋之介は、物語の最後で新たな旅立ちを迎える。ああ、織江緋之介、どこへ行く。ひとりの読者として、万感の思いを抱き、彼の雄姿を見送ってしまったのである。

細谷 正充

ほそや まさみつ

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