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好村 兼一
好村 兼一

いのち買うてくれ

好村兼一/著

出版社:徳間書店
刊行年月:2016年5月
価格:1,900円+税
判型:四六判

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伴侶は〝山姥切〟

 みやもと武蔵むさしは「物に執着するのは禁物だが兵具は格別」と書きのこした。武士たる者、刀は十二分なぎんの上でさしりょうとするのが心がけ、と言うのである。
 古来〝清い心〟の具現として尊ばれてきた日本刀であるのに、戦時中ナショナリズムの高揚に利用されたため、不当に日本刀を忌避する国民感情が生まれてしまった。その傾向はいまだに健在だが、近年〝刀剣女子〟出現のおかげで日本刀の真価が見直されつつある。まことに喜ばしい。
〝武士と刀〟にこだわりを持ち刀剣知識に詳しい私であるだけに、拙作小説の主人公には必ず武士を選んで、筋書に刀談義を盛り込むことにしている。今般出版の運びとなった『いのち買うてくれ』では、〝やまんぎり〟と号する刀が主人公のはんりょとして重要な役割を演じた。〝山姥切〟の切れ味に読者の反応は如何いかがなものだろうかと、大いに気にかかっている。
 

[平成28年(2016)5月20日]

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