伴侶は〝山姥切〟
古来〝清い心〟の具現として尊ばれてきた日本刀であるのに、戦時中ナショナリズムの高揚に利用されたため、不当に日本刀を忌避する国民感情が生まれてしまった。その傾向はいまだに健在だが、近年〝刀剣女子〟出現のおかげで日本刀の真価が見直されつつある。まことに喜ばしい。
〝武士と刀〟にこだわりを持ち刀剣知識に詳しい私であるだけに、拙作小説の主人公には必ず武士を選んで、筋書に刀談義を盛り込むことにしている。今般出版の運びとなった『いのち買うてくれ』では、〝
[平成28年(2016)5月20日]