キャスティングの楽しさ
中国歴史時代活劇ロマン小説というジャンルでデビューしましたが、ここ数年は日本の時代小説を書いています。
以前、はじめて時代小説の作品集を出版する際、その本のあとがきに、「紹興酒も好きだが、日本酒も大好きだ」と書きました。これからは中国小説だけでなく、日本の時代小説も書いていきたい、という意志を、自分らしく表現したつもりだったのでしょうが、それなら、ワインもウイスキーも好きなんだから、西洋の小説も書かなくちゃということになります。苦しまぎれの
言うまでもなく、私の江戸物の原点は子供の頃から親しんできた時代劇です。だから、当然イメージキャストを決めてから執筆にとりかかります。旗本三兄弟のキャストは、割とすんなり決まりました。メインキャストを決めたら、次は脇役の端々にいたるまで、完璧にキャスティングします。母上、叔父上、妻、くの一……我ながら、味のある役者が揃ったと自負しています。その内容は
読者の皆様にも、そんなキャスティングの楽しさを味わいながら読んでいただけたら、と願ってやみません。
[平成28年(2016)4月6日]
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