初心にかえれ織田信長と自分
数年前から小説講座をやってます。
受講生運がよく、ほぼ毎年、生徒が賞とってデビューしている一方、「まったく書いたことのない初心者どんと来い」でやってるもので、おもしろいように落ちまくる。本当に落ちる。箸にも棒にもかからない、どころか爪楊枝にもひっかからない。
ぼく自身は、新人賞をとらずじまいでデビューしましたが(時代を感じさせますねえ)、新人賞の予選に落ちたことはほとんどない。やることやってりゃ新人賞に落ちるほうが難しいだろうと思っていたんだけど、どうもそうではないらしい。
で、あるとき苦しまぎれで口からでまかせで、
「登場人物の履歴書をつくれ。自分勝手につくるんじゃなくて、JISの、就職するときに書くあの書式でつくれ」
とやった。
そしたら、これが当たった。
真面目に(ここ重要。空欄ありまくりでは効果がない)履歴書をつくった受講生は片っ端から、ぱかすかと面白いように予選を通るようになった。基本ってすごい。
んでまあ、せっかくだからと、歴史小説『長篠の四人 信長の難題』では自分も初心にかえり、本腰いれて履歴書つくってみました。ホレ、わりとカンで書いてる部分がおおきいんで。
効果はてきめん。
面白いかどうかは読んでいただくとして、いつもだと校閲から真っ赤っ赤になってゲラが返されてくるんですが、今回のゲラは真っ白。もともとぼくはゲラをいじらないので、ゲラもきれいなカラダで印刷所に戻ってゆきました。
ということです。全国書店で絶賛発売中。
Kindle(amazon)やkobo(楽天)、セブンネットショッピングでは電子書籍にもなっているので、この「歴史行路」のページをクリックすればすぐに手にはいります。
「織田の味方を一兵たりとも損ずるべからず」という、織田信長の長篠合戦のスローガンは史実。本当に、難題ふっかける奴です。
ぜひどうぞ。