ミッション〝十年ずらせ〟
プロになってからの二作目は、『』という
――十年かあ、前にずらすと安政の大獄辺り、後ろにずらせば西南戦争くらいだよね……――
私にとって明治という時代を描くのは、とても難しそうに思えたので、迷わず明治を選びました。どうせ書くなら難しそうな方が面白そうに思えたからです。それで西南戦争の史料をぱらぱらと
もう胸にぐっと来ましてね、「これだ、この人たちの気持ちを書こう」と思ったんです。視点の中心は会津に決まりました。後は会津の誰を主人公に据えるのか……。もっとも当時の会津人の気持ちを代弁できる人がいい。明治になっても会津人そのものとして生きた男です。
それで、会津戦争の時に軍事総督として戦い、西南戦争の最終決戦では総攻撃の号砲を放ち、全軍一斉進撃の幕を切って落とした
ただ、山川浩は
『獅子の棲む国』は、戊辰の役から西南戦争までを描いた会津再生の物語です。
[平成28年(2016)3月16日]
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