書物目利所 達眼老練の四〇〇字書評 細谷正充

細谷 正充

定中役捕物帖

金と銀

誉田龍一 /著

レーベル:徳間文庫
出版社:徳間書店
刊行日:2015年12月3日
価格:630円+税
判型:文庫

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 金と銀といっても、将棋のことではない。ほんりゅういちの「じょうなかやく捕物帖」シリーズの主人公である。金は、いちきん。剣の腕は達者だが、しくじりをやらかしてじょうまちまわり同心から、捕物などの手助けをする窓際同心の定中役になった。銀は、かみぎんじゅうろう。定中役としては、金吾の先輩となる。推理力抜群の男だ。
 そんなふたりが、シリーズ第一弾に続き、またもや大事件に立ち向かう。奇妙な誘拐事件を気にかけながら、盗賊・はなかごまさはちを追う銀十郎。たかづみまわりの手助けをしている最中、不審な荷車を発見した金吾。やがて、それぞれの事件が繋がり、幕府をしんかんさせる悪事が浮かび上がってくる。それが何かは、読んでのお楽しみ。鋭い推理と果敢な行動により、悪事の黒幕へと肉薄していく、金吾と銀十郎の雄姿が頼もしい。
 さらに、メインの事件と無関係に見えた盗賊の絡ませ方も見事。複雑なストーリーの渦中で躍動する〝金〟と〝銀〟の輝きが、いつまでも心に残るのである。

細谷 正充

ほそや まさみつ

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