しゃもじ同心とは何か。南北両町奉行所から出向して、探索よりも捕縛を主な仕事としている〝召捕掛〟の同心のことである。召し捕りを飯取りにかけて、しゃもじ同心と呼ばれているのだ。本書は、その召捕掛の筆頭同心になった
殺し屋相手に一歩も退かない信吾は、第二話「雪割り草」で大名家、第三話「見えぬ月」で寺社奉行に立ち向かうなど、権力者の悪にも果敢に挑んでいく。どのような力にもひるまない、主人公の姿が痛快だ。
その一方で描き出される、父娘や夫婦の情愛が、物語に潤いを与えている。信吾に
しゃもじ同心とは何か。南北両町奉行所から出向して、探索よりも捕縛を主な仕事としている〝召捕掛〟の同心のことである。召し捕りを飯取りにかけて、しゃもじ同心と呼ばれているのだ。本書は、その召捕掛の筆頭同心になった
殺し屋相手に一歩も退かない信吾は、第二話「雪割り草」で大名家、第三話「見えぬ月」で寺社奉行に立ち向かうなど、権力者の悪にも果敢に挑んでいく。どのような力にもひるまない、主人公の姿が痛快だ。
その一方で描き出される、父娘や夫婦の情愛が、物語に潤いを与えている。信吾に