元今川家の家臣で、今は自由都市・堺の守護番頭をしている本条軍兵衛。六尺の大太刀を自在に操ることから、六尺軍兵衛と呼ばれる、戦国の豪傑だ。その軍兵衛が、有名な稲葉山城乗っ取りに参加したシリーズ第一弾に続き、新たな戦いに乗り出していく。一向一揆衆と共に、南蛮に奴隷として売られる人々を助けたのを切っかけに、紀州の金山に捕われた民衆の救出に向かうのであった。
妻の光江との穏やかな暮らしを望む軍兵衛だが、その力が風雲を呼ぶ。冒頭の南蛮船急襲から始まり、さまざまな思惑を秘めた軍兵衛一行は、金山を目指す道中で、激しい戦いを繰り広げる。難しいことなど考えず、自分の心のままに六尺の剛刀を唸らせる軍兵衛が、とにかく痛快だ。
さらに、ひと捻りしたストーリーも見逃せない。金山のある村を支配する、軍兵衛のライバル的な人物の目的が明らかになったときは、あっと驚いた。シリーズ第二弾にして、早くも絶好調といいたくなる面白さだ。