細谷 正充 冷飯食い 小熊十兵衛 開運指南 小早川涼/著 レーベル:徳間文庫 出版社:徳間書店 刊行日:2015年10月9日 価格:630円+税 判型:文庫 抱いた女の心願を叶える。俊英・小早川涼の新シリーズの主人公の小(こ)熊(ぐま)十(じゅう)兵(べ)衛(え)は、〝あげまら屋〟という奇妙な裏稼業を持っていた。そんな十兵衛を訪ねてきたのが、旗本の若侍・田(た)沼(ぬま)龍(りゅう)助(すけ)(後の意(おき)次(つぐ))である。かつて龍助が老中になるようにという心願を抱いて、十兵衛を頼った千(ち)代(よ)という娘が、奉公先の旗本屋敷で死んだというのだ。しかも千代が幽霊になって、屋敷に出没しているという。なりゆきで龍助とコンビを組み、捜査を始めた十兵衛だが、その先には思いもかけない事態が待ち構えていた。 八十八歳の老婆に十兵衛が迫られるユーモア・エロチカ風の冒頭から始まり、バディ(相棒)物になったかと思えば、旗本屋敷に乗り込んだ龍助が名推理を発揮。さらに十兵衛が予想外な幽霊に取り憑(つ)かれたりと、内容は盛りだくさん。一連の事件の真相も面白く、世故に長けているがお人好しの十兵衛のキャラもいい。現在、人気急上昇中の作者だが、それも納得の快作だ。 書評一覧へ < 前の書評へ 次の書評へ > 細谷 正充 ほそや まさみつ 著者紹介ページへ
冷飯食い 小熊十兵衛 開運指南 小早川涼/著 レーベル:徳間文庫 出版社:徳間書店 刊行日:2015年10月9日 価格:630円+税 判型:文庫 抱いた女の心願を叶える。俊英・小早川涼の新シリーズの主人公の小(こ)熊(ぐま)十(じゅう)兵(べ)衛(え)は、〝あげまら屋〟という奇妙な裏稼業を持っていた。そんな十兵衛を訪ねてきたのが、旗本の若侍・田(た)沼(ぬま)龍(りゅう)助(すけ)(後の意(おき)次(つぐ))である。かつて龍助が老中になるようにという心願を抱いて、十兵衛を頼った千(ち)代(よ)という娘が、奉公先の旗本屋敷で死んだというのだ。しかも千代が幽霊になって、屋敷に出没しているという。なりゆきで龍助とコンビを組み、捜査を始めた十兵衛だが、その先には思いもかけない事態が待ち構えていた。 八十八歳の老婆に十兵衛が迫られるユーモア・エロチカ風の冒頭から始まり、バディ(相棒)物になったかと思えば、旗本屋敷に乗り込んだ龍助が名推理を発揮。さらに十兵衛が予想外な幽霊に取り憑(つ)かれたりと、内容は盛りだくさん。一連の事件の真相も面白く、世故に長けているがお人好しの十兵衛のキャラもいい。現在、人気急上昇中の作者だが、それも納得の快作だ。