高橋由太の「もののけ犯科帳」シリーズの第二弾が、早くも刊行された。前巻が短篇集だったのに対して、本書は長篇だ。江戸を騒がす吸血鬼騒動に現れた謎の異国人ミクニ。その正体は、愛する者を殺した吸血鬼を追ってきた、妖かし斬り師であった。そのミクニも絡んで、妖怪
一方、吸血鬼側でも、人間の娘との恋物語が進行する。しかし、その先に見えてきたのは、人間の
そして人の善悪両面が表現されたところで、ようやく気がついた。本シリーズは〝もののけ〟という存在を通じて、人間を描いているのだと。ユニークかつバラエティに富んだ妖怪たちが、私たちの心の底を