書物目利所 達眼老練の四〇〇字書評 細谷正充

細谷 正充

日比野左内一手指南〈二〉

謎呼ぶ美剣

牧秀彦/著

レーベル:徳間文庫
出版社:徳間書店
刊行日:2015年9月4日
価格:660円+税
判型:文庫

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 藩の上士の家に生まれたないは、複雑なあだうちの事情を抱えて、江戸でちゅうじょう流の剣術道場を構えていた。また、訳ありの人たちのために、ひそかに仇討の一手指南をしている。そんな若者の、すがすがしい行状をつづったシリーズ第二弾の登場だ。
 本書には短篇三作が収録されている。第一話「対決・中条流対十手術」は、ゆがんだ心を抱える南町奉行所同心と、左内が対決することになる。第二話「一手指南、再び」は、婚礼を控えた町娘のほおひとを浴びせる辻斬り騒動を収めるために、受け太刀の力が発揮される。
 そして第三話「いとの太刀」は、なんと「陰流・闇仕置」シリーズの主人公・まつだいらそうろうが出現。左内との夢の対決が実現する。もともと本シリーズは、「しおたにはや江戸常勤記」シリーズともリンクしており、作者のファンとしては大喜びであった。そこにさらに、別シリーズまで絡んでくるとは……。牧ワールドの主人公揃い踏みに、興奮してしまうのである。

細谷 正充

ほそや まさみつ

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