書物目利所 達眼老練の四〇〇字書評 細谷正充

細谷 正充

もんなか紋三捕物帳

賞金稼ぎ

井川香四郎/著

レーベル:徳間文庫
出版社:徳間書店
刊行日:2015年7月3日
価格:640円+税
判型:文庫

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 徳間書店・双葉社・廣済堂をまたにかけて展開している、かわこうろうの「もんなかもんぞうとりものちょう」シリーズが、早くも四冊目に突入した。門前仲町に居を構える岡っ引の〝もんなか紋三〟と、彼の門弟でやはり岡っ引の〝十八人衆〟が、四つの難事件を解決していく。
 本書の興味深い点は、各話によって主人公が違っていることである。十八人衆きってのバカ者である愛宕あたごうしまつ。人の気持ちを引き出すのがうまい、にんぎょうちょううめわか。十八人衆の紅一点で、よしわらなわりにしているおらんしながわ宿じゅくまちぬしをしている、品川のはんろう。いずれ劣らぬ十八人衆の面々が、それぞれの個性を発揮して事件に挑むのだ。
 しかも彼らの扱う事件が、バラエティに富んでいる。舞台上の殺人を描いた本格ミステリーがあれば、殺しの裏にある権力者の陰謀を暴く痛快篇もあり。一作ごとに読み味が変わっていくので、どの話も新鮮な気持ちで楽しめるのだ。ユニークな趣向に彩られた捕物帳なのである。

細谷 正充

ほそや まさみつ

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