神様の履歴書

 お稲荷様、八幡様、天神様……、
 これらはいったいどんな神様なのでしょう?
 初詣、七五三、夏祭など、八百万やおよろずの神様たちは私たちの生活に深く根差しています。
 日本古来の神様を知れば、時季折々の行事や日本文化への理解がさらに深まるはず。

第1話

天照大神〈1〉 その名声と実力について

 たかまがはらの最高神、皇祖神、日本のそううじがみなど立派な“肩書き”を持つアマテラス大神は、名実ともに日本のよろずの神々のトップランクに位置している神さまです。
 まずは「なぜそんなに偉い(霊威が強い)のか?」という素朴な疑問から。
 一番の理由は、やはり「天に照り輝く太陽」の女神という基本的な性格にあります。
 いうまでもなく太陽のエネルギーは地球上の生命の源です。

 古代の人々は、その太陽=日の神(太陽神)に対する崇拝に日本独特の祖霊信仰の観念を重ねて、日の神を民族の祖神としてまつるようになりました。
 それが「皇室の祖神」というアマテラス大神の特別な性格につながったと考えられています。

 もう一つ、「霊威の強さ」の秘密に関して。
 アマテラス大神は「実は男神である」という説も根強くあります。
 稲作農耕が行なわれた弥生やよい時代に太陽信仰が始まると、日本の各地で日の神が祀られるようになりました。
 実はそのほとんどが男神だったようです。
 そんな農耕民のすうはいする名も無き素朴な日の神の霊威を、1つの偉大な神格として合体したのがアマテラス大神の姿だといわれます。
 合体してパワーアップする発想は、日本の神様の世界ではよくあるパターンです。

 ところで、私たちの身近な存在としてのアマテラス大神は、じんぐう内宮(こうたいじんぐう)に鎮座し、「お伊勢さま」「神明さま」として全国に祀られて親しまれています。
 その伊勢神宮では、平成25年10月、20年に1度の式年せんぐうが行われました。
これは飛鳥あすか時代のてん天皇時代以来、1300年にわたって行われている神宮最大の神事です。
 遷宮とは、神殿を建て替えて神さまを新しいお宮にうつすことですが、同時に神さまの霊力を再生する意味もあるそうです。

(「天照大神あまてらすおおみかみ〈1〉 その名声と実力について」の回 了)

戸部 民夫

戸部 民夫

とべ たみお

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