書物目利所 達眼老練の四〇〇字書評 細谷正充

細谷 正充
細谷 正充

安土唐獅子画狂伝

狩野永徳

谷津矢車/著

出版社:徳間書店
刊行年月:2018年3月8日
価格:1,600円+税
判型:四六判

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 谷津矢車のデビュー作『洛中洛外画狂伝』の続篇が刊行された。主人公は、安土桃山時代の絵師・狩野永徳。若き源四郎(永徳)の彷徨を見つめた前作を受け、本書では彼のさらなる修羅の道が描かれる。
 今や狩野工房の主力として、精力的に絵を制作する源四郎。しかし彼は、さまざまなしがらみに捉われていた。天下一統を目指す織田信長と再会し、仕事を引き受けたことから、そのことに気づいた源四郎。妻の死を経て、絵の修羅となった彼は、安土城の障壁画に挑むのだった。
 狩野工房を背負った源四郎が、いかにして何もかも捨て、己の絵に専念したか。作者は、信長を始めとする戦国武将や、絵師の海北友松・長谷川信春(等伯)など、多数の人物を絡めて、その過程を鮮やかに表現したのだ。
 さらに、本能寺の変の真実や、千宗易(利休)の大望など、それだけで長篇になるネタが、惜しげもなく使われている。こうした、贅沢極まりない物語の作り方も、谷津作品の大きな魅力なのである。

〝狩野永徳〟シリーズはこちらです。

洛中洛外画狂伝

狩野永徳

レーベル:徳間時代小説文庫
出版社:徳間書店
刊行年月:2018年2月7日
価格:860円+税
判型:文庫判

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細谷 正充

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ほそや まさみつ

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