引札収集棚

麻倉 一矢
麻倉 一矢

剣客大名 柳生俊平6

御前試合

麻倉一矢/著

レーベル:二見時代小説文庫
出版社:二見書房
刊行年月:2017年4月
価格:648円+税
判型:文庫

amazon.co.jpセブンネットショッピング

TSUTAYAオンラインショッピング楽天ブックス

伝説の茶釜に人は狂う

 柳生藩第七代藩主柳生俊平の痛快な物語です。
 柳生家は、代々将軍家剣術指南役の名誉ある家柄です。とはいえ天下太平の時代、剣術の必要性はしだいに薄れ、俊平の先代柳生俊方の頃になると、代役を立てかたちばかりの指南役となっています。
 ところが、他家からの養嗣子として柳生家を継いだ松平俊平は違いました。思いもよらない剣豪で、吉宗を十分満足させる指南役であるばかりか、吉宗の幕政改革で生まれた歪みのひとつひとつを、その知恵と剣で正していく影目付の大役までつとめあげます。
 この巻は、戦国のきょうゆう松永弾正が織田信長に攻めたてられ、ともに爆死したとされる天下の名物〈平蜘蛛の茶釜〉が、密かに柳生家に伝えられていたというお話で、その茶釜に目をつけた風狂大名藩主池田吉泰との間で、譲れ譲らぬの藩をあげての大喧嘩が発展していきます。
 俊平は強引な吉泰の要求を再三退けますが、吉泰は一歩も退かず、さらに対立は深まるばかり。話を聞いた吉宗は、吉泰の強引さに怒り心頭、ついに俊平に御前試合で懲らしめよと命じます。
 これに、鳥取藩側はひき新陰流、円明流などお家流の剣豪を揃えて柳生藩に対抗、俊平は劣勢のまま藩の存亡をかけて立ち向かいます。
 この争いに、いつもの顔ぶれ、毎巻お馴染みの菊の間詰めの一万石大名の立花貫長、一柳頼邦とその妹で女剣士の伊茶、五千石の足利公方が俊平に立って味方します。
 物語に色を添える二代目市川団十郎、吉宗の改革で大奥を追い出されたお局方なども加わり、物語は最後のクライマックス御前試合へ。
 爽やかな人柄の柳生俊平と一万石同盟の個性豊かな大名たち、それに千両役者の市川団十郎、大奥の元お局方等が脇をかためる愉快な俊平ワールドを、あなたも覗いてみませんか。

[平成29年(2017)5月8日]
[PR]