書物目利所 達眼老練の四〇〇字書評 細谷正充

細谷 正充
細谷 正充

クロボーズ〈1〉

富沢義彦/原作

たみ/漫画

レーベル:アース・スターコミックス
出版社:泰文堂
刊行日:2016年11月12日
価格:600円+税

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『危機之介御免』『さんばか』『戦国新撰組』など、積極的に時代コミックの原作に取り組んでいる富沢義彦の新刊がじょうされた。作画を担当しているのは、『さんばか』でコンビを組んだたみである。相性はバッチリだ。
 しかも内容が、ぶっ飛んでいる。ボクシング・チャンピオンになった黒人のヤーボが、戦国時代にタイムスリップ。織田信長に仕えた、あの弥助になってしまうのだ。さらに弥助の面倒を見る羽柴秀吉は、男の心を持つ女であった。また、信長自身も秘密を抱えているらしい。読者の興味をく、幾つものフックが効いている。
 おまけに話の展開が早い。なにしろ本書で、本能寺の変に突入するのだ。明智光秀の裏に潜む黒幕の正体に驚く暇もなく、信長や弥助の眼前に意外な人物が登場。どうなるのだと思わせたところで、第二巻に続く。まだ物語の全体像は見えないが、これだけ面白ければ問題なし。戦国タイムスリップ物の新たな収穫として、強くお薦めしたいのである。

細谷 正充

細谷 正充

ほそや まさみつ

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