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福原 俊彦
福原 俊彦

平賀源内江戸長屋日記

春風駘蕩

福原俊彦/著

レーベル:徳間時代小説文庫
出版社:徳間書店
刊行年月:2016年5月
価格:720円+税
判型:文庫

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とんでもない男とその仲間たち

『平賀源内江戸長屋日記』は、江戸中期~後期の浪人学者ひらげんないを主人公に、江戸の町で起こる様々な事件を追いかけるシリーズです。一巻『しゅんぷうたいとう』に続き、二巻、三巻と立て続けに刊行をさせていただく予定になっています。
 平賀源内といえば時代劇での出番も多い人気キャラクターです。エレキテルの発明(修理)に代表される発明家としての業績だけでなく、数々のさくや芝居の脚本をものにし、しかも〝土用のうしの日にうなぎを食べる〟ことをプロデュースした人物という説もあって、現代風に言うならばマルチクリエイターであったのが源内という男です。めども尽きぬ好奇心の井戸を心に持っていたのでしょうか。
 経歴もなかなかすごいことになっています。たかまつはんあしがるの家に生まれながら頭の良さを見出され、運よく学問をする機会に恵まれた、というのでも結構な幸運です。普通、足軽の子にそんな余裕はありません。しかも、本格的な学問がしたいと一度藩を飛び出したにもかかわらず、その才能を大名に可愛かわいがられ、復帰。価値のある植物・鉱物などの発見で大いに活躍する舞台まで得ます。ところが、源内は高松藩にとどまっていられるような男ではありませんでした。今一度藩を離れ、江戸で浪人の学者として再び活動を始めたのです。二度も主家を離れるなんて、当時の常識からするととても考えられたことではありません。
 こんなとんでもない男、平賀源内とはいったいどんな人物だったのか。彼は何を望んでいたのか。そんな空想から、この物語は始まりました。考えていくうちに「源内に負けない脇役たちがほしい!」と思うに至り、物語の舞台は実ににぎやかな〝変人長屋〟とあいりました。そこには女御用聞きや役者、屋の女店主など、実にかいな連中が住んでいて、時に源内を圧倒するような活躍さえ見せてくれます。
 源内と長屋の仲間たちが一体どんな事件に巻き込まれ、どんな騒動を起こしていくのか。是非、皆様にもお付き合い願いたく思います。

[平成28年(2016)5月25日]

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